Peaceful Tree

主に加藤和樹さんを中心とした観劇やライブ参戦の記録やまとめ。考察や妄想もあるのでご注意ください。

【観劇記録】冬のライオン 3/12-13感想

◆2022.3/12〜13
東京芸術劇場プレイハウス

とっても楽しい1泊2日の遠征でした!
絶対好きだと思って前半と後半の2回遠征にして大正解でした。発表当初思っていた重厚な作品ではなかったけど、良い意味で裏切られた怒涛のセリフ劇。思惑と策略と行き当たりばったり(笑)が次から次へと押し寄せてきて、めちゃめちゃ楽しかった。7人が7人ともキャラが濃くて(ジェフリーだってある意味濃い笑)、それぞれの立ち姿だけで性格やこの中での立ち位置がわかるのってすごいなぁと。蔵之介さんや高畑さんはもちろん、7人ともお芝居や居方にも見応えがあって、それも楽しかった。

それからセットね。和樹くんが「プレイハウスをこんなふうに使うんだ」ってインタビューで話してたので楽しみにしてたの。奥行きを使わないあのシンプルなセットが怒涛のセリフ劇に集中することにとても効果的な気がして、そしてあのセットだからこそ終盤の地下室の奥行きも強調されて、なるほどなー!と思いました😊。

お衣装も、アレー、フィリップ、エレノアのフランス絡みの3人と、イングランドのヘンリーと息子たちの衣装の差にびっくりしたけど何故か見ているうちにしっくりしてきたのが不思議。息子たちは現代風の衣装なんだけど、あの幕の柄とか流れる音楽がグレゴリアンチャントっぽい(好きだけど詳しくないので時代があってるかとかはわからない)ことで、中世の空気もちゃんとあって、それも好きでした。

以下、3/12-13の観劇時とその後の感想ツイートまとめです。当方加藤和樹さんファンなので、若干リチャード多めですがご容赦を。わかりやすくするために少し書き足したりもしています。2/26-27の初日&2日目の感想はひとつ前の記事に。また後半になるにつれ、文章が長くなっていきます(笑)。冬のライオン、ほんっと楽しかった。観られてよかったです。


★3/12
冬のライオンの前にNHKのハート展へ。ゆったりした時間を過ごして劇場着😊。青空キレイ✨ 。

・幕間。3回目の今日はシーンごとに入れ込む人が変わっていく感じで、自分の気持ちがとても忙しいw

・ジェフリーが可哀想なのはもちろんなんだけど、アレーが不憫だなぁ。あと、ジョン、君は少し黙って(笑)、ってなるw

冬のライオン マチネ終演!今日も豪快で素敵で大迷惑な夫婦喧嘩でした😊

・もうあと3回しかないって早すぎん?地方回ってくださってもよくてよ?

・「よくあの子をフィリップのところに行かせたな」「疲れてたのよ私も」
これ息子の話をする親の会話だなぁと。ヘンリーの"あの子"呼びもそうだし、「よく行かせたな」の言葉にほんの少しの同情が滲むし、エレノアも「ちょっとあれは失敗だったわ」感が滲んでる。この会話リチャード聞いて…ないよね。残念。

・アレーのヘンリーへの「やれるの?」の言い方がとても好きで。聡明で凛としてて苛烈。冒頭に「もうひとり敵がここにいるかもよ」って会話があるけど、この子はほっといたら本当に大変な敵になりそうだなぁと。ただまだ若すぎるが故にヘンリーとの愛しか知らされずに育っているのが気の毒。

・エレノアもかっこいいし、女がカッコいいんだよなぁ。マチネは女たち目線だった😊。

・リチャードは本当に立ち姿の説得力がすごい。堂々たる将軍のそれ。そしてこの策略渦巻く中にあって可愛いとさえ思える直球さ(笑)。ジェフリーの少し斜に構えて常に計算しているような立ち姿と対照的なんだよね。ジョンもとてもわかりやすい立ち姿(笑)で、見てすぐわかる三者三様なのすごいなぁ。

三者三様といえば、幕前を通り過ぎるだけのシーンでも性格が出てるし、ラストの足音(あれ?音してたかな?去り方の印象)もそれぞれで楽しい😊。立ち去るシーンは、ジェフリーやジョンとは対照的に、リチャードがちょっと逡巡を見せて、それでも断ち切って去っていくのが好き。

・ラストにエレノアに腕を差し出すヘンリーがどえらいカッコよくて、強さと色気にビビりました。あれはいかん…

・最後の夫婦の会話のヘンリーが本当に好き。なんだかんだ言ってヘンリーはエレノアのことをよくわかっているし、よく見てる😊。

・そういえば、リチャードがアレーを担ぐシーンで、周りが「おお…(軽々だな…!)」みたいな空気になったのちょっと楽しかった(笑)。「なんですって?!」はクスッと笑い起きてたし、その後はもうアレーに興味がない様子で下ろすのも良き。

・ソワレ行ってきます😊。今回初のドセン。見え方楽しみ。

・幕間。ソワレのエネルギーすごい!テンポも今までで一番好きかも。ドセンめちゃめちゃ見やすくて、怒りながら椅子に座るリチャードが正面なのたまらん(*´艸`)

・リチャードのイライラがずっと沸々とテンション高くて、怒った後の歩き方も重さのあるドスドスっぷりでとても好き。エレノアとのシーンで立ち去ろうとする勢いとか、めっちゃ好みなんだが(*´艸`)

・ソワレ終演。熱かった。リチャードも熱かったけど、ジェフリーも熱くて。それから地下室にヘンリーが現れた時のラスボス感が凄くてすごい緊迫感。楽しかった😊!

・「アレーはお前を苦しめるのにぴったりだ」「ええ、そうね(ニッコリ)」って会話(ニュアンス)からして、最初からずっと夫婦の話。その上で、お互いだけがお互いの希望なんだよなぁ。アレーにもリチャードにもわかんないと思うけど(笑)

・しかしリチャードが階段を昇り降りするときだけ空間歪まない?1段飛ばししてるのになんの違和感もないし、武人ぽさ増し増し。下手したら気づかないだけで2段飛ばしとかしてない?

・終盤、アレーの指摘を受けて息子たちが息子を殺す可能性に気づいた瞬間から、ヘンリーが突然老け込んだ気がして、蔵之介さんすごいなと。そして老け込んだからこその、老いた王の凄みが怖いくらい。そりゃリチャードも後ずさる…

・ソワレはFCでご用意いただいた7列目ドセン。少し傾斜もあって私でも前の人に被ることなく、正面も上手下手も見やすい最高の見晴らし。距離的に役者がセンターに座っている時には目線がくる場所(目が合うって意味ではなくね)で、最高のお席でした😊。VOICE様ありがとうございました✨

・(和樹くんのツイート)わかる。ほんと今日のご夫妻は凄まじいという言葉がぴったりだと見ていても思ったもの。あのエネルギーを役として間近で見られて受け止められるのってすごいことよね。明日の前楽、楽しみー(*´艸`)

・リチャードの母親の呼び方、そういえば検証できないまま終わっちゃうな。兄弟で話してる時はおふくろ、面と向かってはお母さんが基本で母さん呼びもあったような?母上とも言ってたね。そして地下室で1回だけ「エレノア」って呼ぶよね。

・自分の部屋にやってきたイングランド王と息子たちがドタバタしてる時に、酒瓶片手に壁にもたれてニヤニヤ見てるフィリップ。彼の目から見たら、さぞかし滑稽なんだろうなぁ。

・ヘンリーにとって血湧き肉躍る戦いができるのはもはやエレノアだけだったんだろうな。「この俺と戦えるのはお前しかおらん」的な。だからエレノアには元気でいてもらわないと困る。彼女へ向ける思いは、妻であり敵でありライバルであり…「強敵と書いて"とも"と読む」みたいな感覚なのかも(作品違い)

・地下室で、物音に真っ先に反応して前に出るリチャード。自分が得るはずの王位にギャンギャン噛み付くジョンと、なぜか絶対に味方になりそうもないジェフリーだけど、弟たちを庇って左手を伸ばすんだよなぁ。何故。

・軍人なリチャード大好き。ジョンにナイフを向けるところの手慣れた素早さとか、地下室で武器を得るや否や外の様子を母に問いただし脱出が可能かを探り出すリチャードにときめく♡大股でドスドスした歩き方も、何回かある胸を張って腕を組む瞬間も軍人らしさと自信が見えて好き。あの髪型がハマるキャラの濃さ😊。

・ヘンリーとの愛が己の全てのアレーと、自分で何にも決められないジョン。強いヘンリーはおそらく無意識に、二人を自分の意のままになるように育ててしまったんだろうな。持てる何もかもをリチャードに教え込んで育てたエレノアと対照的。その意味ではエレノアの勝ち、なんだろうな(笑)。


★3/13
・目が覚めてからポツポツ感想(というか考察というか若干の妄想笑)をメモに打ち込んでたら、頭の中が整理されて一気に作品の解像度が上がった気がする。マイ楽に間に合って良かった😊。

・ジェフリーはその頭の回転の良さと感情の起伏のなさが成長してからも両親から距離を置かれた理由のひとつなのかもな。エレノアのリチャードやヘンリーのジョンと違って、いつ寝返るかわからない危うさ、心の読めなさがある。でもそれは愛されないが故に身につけたものだと思うから…ジェフリー悲しい😭

・そういやラストあたりでリチャードがヘンリーに向かっていく時に、咄嗟にジェフリーがリチャードを止めてたのが気になりすぎる。まさかヘンリー側なの?と思ったら、その後リチャードが突き飛ばされた後は気遣うように肩に手を置いてたし…ジェフリー固定で見たら理由がわかるのかなぁ。「兄さん危険だ!」なのか「今死なれちゃ困る!」なのか、それ以外なのか…謎のまま。時間がなくて確認できないの残念。

・地下室のシーン。奥が真っ暗(+蝋燭)な上にあの音の響き方だからこそ、城の地下にあるどこまでも広くて光の射さない石造りの地下室が想像できるし、そこに閉じ込められたのっぴきならない状況が際立つ気がする。観客の想像力をかき立てるあの演出とても好き。

・エレノアがジェフリーお義父様の話をする時は、ヘンリーがわかりやすくイラつくんだよね。はじめはおや?と思ったし、あの反応は本心ぽくも見えるけど、わざとそれを誇張してるようにも見えて。たっぷりの嘘に包まれたほんの少しの本音。だんだん可愛く見えてきました(笑)。

・作中でエレノアがリチャードのことを「将軍」ってサラッと言うけど、どこの将軍なんだろ。アキテーヌは自分の領地だから将軍ではないと思うし、ヘンリーの軍というか王政の中で地位を持ってたってこと??(中世ヨーロッパでの将軍の扱いがよくわからん)

・さて。好きな前楽でマイ楽。楽しんできます♪

・幕間。楽しい(*´艸`)!

・平和を説く母親に誰ひとり同調しない息子たち。エレノア、いいこと言ってるんだけど、まぁ、そりゃそうよねw

・今日はほぼ席が埋まってて、初めての人も多いのかな?笑いどころの笑い声が多い😊。

・リチャードの憤りが強くて激しい。対するジェフリーは今日は淡々としてるけど、二幕どうなるかな。楽しみ。

・マイ楽終演!夫婦の深すぎる愛と、愛を求める息子たちを堪能しました。楽しかった!!

・マイ楽だからリチャードをガン見したいと思いつつ、他の皆さんも見逃せない。というわけで、心のままにいろんな人を観てました。明後日の大千秋楽まで無事に走り切れますように。

・壮大な夫婦喧嘩に巻き込まれる親の愛を求める息子たち。地下室での鬼気迫る蔵之介さんが物凄くて、あれを間近で浴びてる和樹くんは幸せだろうな、なんて思いながら見てた。堪能しました。

・フィリップとの件の「あの子」呼びもそうだけれど、エレノアに言う「あっぱれな小僧だ」も、リチャードに聴かせてあげたい。お父上からはちゃんと認められてるよと。それと王位継承は別問題ってだけで。

・子供の頃から両親が戦うところばかり見せられてきたリチャード。父に牙をむく母と、母を幽閉する父。そりゃ夫婦なんて、結婚なんて、男女の仲なんて…ってなるよねぇ。しかもよく考えたら、作品中ではリチャードがまだ多感な16歳の時にエレノアが幽閉されてる。なるほど…

・エレノアはヘンリーがどれだけ聡明で手強いかを幼いリチャードに何度も話していたと思うし、愛する母が父を倒すために何度も戦っている(そしてなかなか勝てない)のを見ることで、逆にリチャードは武人として(ほぼまともに会ったことがないであろう)父王への憧れを持っていた気がするんだよね。

・俺はあのヘンリーの息子だという自負もあったかもしれないし、戦いの中で実績を重ねれば父に認めてもらえて、その証が彼の中では王位継承だったのかもしれない。 憧れだからこそ、地下室でかかってこいと言う父に「できません」と言うし、最後に背中をじっと見てから去っていく。リチャード…

・憧れとかなんとか、私の勝手な感想だけどね。騎士道精神を持ってるとはいえ、あの局面ですら「できません」と言うリチャードの気持ちを考えてたらそうかなぁと。ジェフリーなら、勝つ見込みがあるなら襲ってたような気がする。

・エレノア。若かりし頃は「あなたならできるわ」とヘンリーの背中を押して戦わせたこと数知れずなのでは。リチャードの背中を押して子供部屋に入れるわと微笑む彼女に、かつて自分が押されたことを思い出し、こいつならやるなとヘンリーは思ったのかもしれない。心の強さを失わないエレノア大好き。

・権謀術数渦巻くなんちゃら、という物語だとワタシ的には大抵ひとりは「この人嫌いだわー」ってキャラがいるのに、それがいなかったのも観劇後スッキリしている理由かな。全員王族だから皆自分の責任において発言をしていて(ジョンでさえも)、権力におもねる官僚みたいな人物がいなかったからかなぁと。

冬のライオン、観れば観るほど自分の中の解像度が上がって新たな気づきや見どころが増えていくスルメみたいな作品でした😊。毎回楽しかった。もっと観たかった。それぞれに愛を求めるシノン城の人々に、少しでも平穏が訪れますように。(たぶん厳しい)

・どなたか教えてくださいまし。フィリップになんでもあげていいから、とエレノアに言われた時のリチャードのあの表情と気持ちってどんな?

・『私はエレノア、正面から見据えることのできる女』のシーンが本当にかっこいい。『絶望を感じると微笑むことにしてるの』も、何度も絶望を味わっているからこそ言えることで…やってることは嘘の付き合い、騙し合いだけど、あの強さはほんと素敵。

・ジェフリー思い出し。地下室でリチャードが「いやジェフリーの言う通りだ」って言った時、ちょっと驚いた感じでリチャードを見たんだよね。ジョンと全く信用ならないフランス王以外で、作中彼の発言が認められたのって、この時だけだったような。(他にもあったらごめん)このことがあのリチャードを止めたことに関係あるのかなぁ。

・ふと思い出し。地下室を去る前にヘンリーの背中を見つめ、断ち切るように立ち去っていった様子にリチャードのこれまでの父王への想いと訣別が滲んでいるようだったなと。あの断ち切る瞬間と去っていく姿、とても好きだった。

・ラストの夫婦の会話。エレノアの様子に、ヘンリーの素というか本心がふわっと見えて、なんだかんだ優しいしちゃんとエレノアのこと見てるじゃん、と思ったら、「お互いだけがお互いの希望」(ニュアンス)なんてセリフも出てきて、この二人は出会えて本当に良かったな、と思ったのでした。二人にしかわからない、他人からは太いのか細いのかもわからないけど、切らない絆がちゃんとあるんだなーと。振り回される息子たちは気の毒だけど、お父さんとお母さんがラストにいろんな意味で幸せそうに腕を組んで去っていくのがとても良かった。素敵な作品でした。

・感想を書いていると、たまに思ってもみない言葉がスルッと降りてきて「これだー」って思う時があるんだけど、今回もありました。「切らない絆」。切れないじゃなくて、切らない。あのご夫妻にしか見えない、決してお互い切らない絆があるのだろうなと。私の個人的な解釈だけど、満足😊。

・そういえば一昨日観た時、エレノアと抱き合うシーンで暗転前に天を仰がずそのまま眉間の皺をより深くしてぎゅっとした表情をしてた(伝わらない)の、すごく好きだった。リチャードの中でいろんな想いが渦巻いてるんだなぁって。今日の千秋楽はどうだったのかな。

・突然思い出し。三兄弟がエレノアと再会をした後、ヘンリーが現れた時にリチャードとジェフリーが胸に手を当ててお辞儀をしてる姿が素敵だったなと。父への憧れとか反目とか関係なく、敬意を表す対象にはきちんとする仕草が無条件に好きなんだよね。思い出せてよかった。