Peaceful Tree

主に加藤和樹さんを中心とした観劇やライブ参戦の記録やまとめ。考察や妄想もあるのでご注意ください。

【感想と解釈と妄想】JTRアンダーソンについて

ふせったーに載せた投稿のまとめ。大阪で最後に観る前にまとめておきたくて。考察というよりは私の今時点での解釈です。「そうは思わん!」って方はスルー推奨。ふせったーに載せたものに加筆もしています。長いよ。(知ってる)

・アンダーソンについて
・アンダーソンとポリーについて
・アンダーソンはいつこの事件の扱い方を決めたのか

 


★アンダーソンについて★
警察内で頭角を表して新聞記者にも名前が知られる警部にまでなっている彼は、コカインも酒も博打もやるけど、いざ職務となると熱くて正義感の強い男よね。どんなに嫌いだと思っていても(実際はとても愛着がある)この街もそこで暮らす人々も見捨てられないし、見捨てるつもりもない。正義感に加えて人を思いやる気持ちもある人だから、犠牲になった娼婦を「隠せ!」と指示するし、研究室でモンローに機材を撮影するのは許可してもグロリアを撮ろうとするのは絶対に許さない。その思いやりは、ラストの「ポリーや女たちはどうなる!」のセリフにも繋がっているのかなと。

でも、彼の正義感はこの猥雑な街であまりに多い犯罪に立ち向かうには純粋すぎたのかもしれない。減らない犯罪に己の無力さを感じ、賄賂が蔓延る職場にうんざりし、ゴシップに喜ぶ市民達に憤って自分の信じる正義が揺らぎそうになった時、その正義を貫くためにコカインに手を出したんじゃないかなぁと…。アンダーソンに遁世感を感じると仰ってた人がいたけど、確かにこの物語の中で彼の生きる意味は刑事としての自分だけのような気がするし、彼には生活感を感じない。しかも和樹アンダーソンは刑事として死ぬなら上等とすら思っている節さえある…そんな彼が、きっかけはどうあれポリーに会いに行くときに昔の穏やかな時間を思い出したのかなぁと。「これが終わったら…」という歌詞は、本気でそう思っているというよりは、ふと思い出した昔の穏やかな時間を懐かしんで、もう一度…と思いつつ、実際はもう戻れないとわかってる感じなのかなぁと思ってる。嫌いになって別れたわけではない、むしろ今も大切に思っているポリーにオトリ捜査を頼むしかなく、それに対して話も聞かずに「なんでもよ」と想定外の大きな愛で返されて、自分(と、行き詰まっている捜査)の不甲斐なさも感じたんだろうなぁ…。ポリーの想いを知って机に握り拳を置き、背中で慟哭しながら「この街が嫌いだ」と絶唱するアンダーソン。ポリーが娼婦として生きるしかないこの街も、そんな街を変えることも出て行くこともできない自分も嫌いだと歌うアンダーソン。とても好き。

その後のポリーの歌(想い)を黙って聴いているアンダーソン。聴いているうちにだんだんと険のある雰囲気が消えて、素のアンダーソンが出てくるところが大好きで。恋人同士だった頃も、きっと主にはポリーからアクションを起こして、アンダーソンがそれに応える、みたいな関係だったんだろうなと…。でも昔のように応えようとしたアンダーソンに気づいてポリーはふいっと離れてしまう。お互いまだ惹かれあっているということは感じているのに、あと少しのところですれ違う気持ち。ああ、切ない…。

あの「君にまだ伝えていないことがあるんだ」の言い方はオトリ捜査のことだけではないと思うので、あの言葉の真意は、「もう戻れはしないけど、俺もまだ愛してる」ということかなぁ。ポリーが想いを言葉にしてくれたことへの返答というか。
書いてて気づいたけど、ひょっとしてアンダーソン、ポリーに「愛してる」と一度も言ったことがなかったとか。松下アンダーソンは若さゆえの照れから、和樹アンダーソンは本来の口下手な性格故から。あり得るわ〜(笑)

 


★アンダーソンとポリーについて★
ポリーは「"また" いなくなっちゃった。さよならも言わずに…(うろ覚え)」って言ってるんだよね。

あの様子や、冒頭の「終わったのよ」の言い方からして、二人の間に別れ話があったわけではなく、ひょっとしたらアンダーソンが突然ポリーの前から黙って去ったってことなのかなと…。それが、アンダーソンの意志だったのか、なんらかの事情で結果的に去ってしまうことになったのかはわからないけど。ポリーからしたら愛する男に置いていかれたという気持ちだっただろうし、離れざるを得なかったのであろう(でもその理由を今も語るつもりはない)アンダーソンの雰囲気には黙って去って独りにさせた後ろめたさも感じられるし、ほんと切ない。

頼ってきてくれたことが嬉しくて、自分を置いて去ったアンダーソンをなじるでもなく、酔っ払っているとはいえ、過去の幸せだった頃のことや今の気持ちを素直に言えるポリーは素敵な大人の女だし、「お願い」をする後ろめたさもあるとは思うけれど、多くを語らずポリーの話を聞いて、初心だった頃の自分のことを言われても嫌がるでも恥ずかしがるでもなく、ちょっとだけ眉間に皺を寄せながら受け止めているアンダーソンも大人の男だなぁと。アンダーソン、たぶん元々自分の気持ちを語らない男だと思うし(好き)。

ポリーがアンダーソンの手を引くところ。付き合っていた頃もあんな風にポリーが楽しそうに先を歩いて、そんな可愛いポリーが好きで後ろから見守りながら歩くアンダーソンだったんだろうなぁと思ったら泣きそうでした。ポリーもそんなアンダーソンが好きだったんだよね。東京和樹アンダーソン楽では、途中でアンダーソンが立ち止まって、ポリーが「もうっ」って強く引くみたいな仕草が追加されてて、きっとそれも付き合っていた頃の2人の癖というか日常だったんだろうなぁと思ったらほんと泣けた。この二人、きっと本当に若い、ハイスクールくらいからの付き合いで、隣にいるのが当たり前って思えるくらい長いこと一緒の時間を過ごしていたんじゃないかなぁと思ってる。そしてお互いそんな昔の気持ちを思い出しながらも、もう戻れないことはわかっている大人の男女。切ない。でも好きだなぁ。。。

余談だけど、ポリーとアンダーソン、もし二人がたとえ一夜でも焼けぼっくいに火をつけようとしたら、めっちゃ大人の濃いキスと濃いえっちしそうだなぁとは思います←大好き(余談すぎる)

 


★ アンダーソンは、ポリーを抱きしめながら真相に気付いて、その後どの時点でこの事件の扱い方を決めたのか★

A.研究室でのダニエルの発言を聞いて、倒れてる間に決めた
→真犯人がわかってとりあえず怒りに任せて乗り込んできたけど、そこでダニエルの「グロリアへの愛のためだ」という言葉と、倒れてる間のグロリアへの「全て君のために」「もしも生まれ変わったら今度こそ二人で」って発言を聞きながら「冗談じゃねぇ!」と思ったパターン。ダニエルを撃った時の様子が、乗り込んできた時の烈火のような怒りから、沸々と湧くような怒りに変わってるの、大好き。

B. 殴り込みに来るまでの間にこの事件を迷宮入りさせることを決めてた
→できる刑事アンダーソンなら、研究室までダッシュしてる間にそこまで考えるかもなと。だとしたら、研究室に乗り込んできた時点で「関係者全員ぶっ殺す」って思ってたってことで、かなり物騒(笑)。それでも、まずはダニエルをフルボッコにしないと怒りが収まらないアンダーソンが好き(好き)。

どっちのパターンも美味しいから、ここは自分の中でも決めずに楽しんでます(笑)。 でも、よく考えたらモンローが死んだのは自業自得だよね。アンダーソンは、モンローは爆発に巻き込まれて死ぬだろうって勝算があったのかしら。もしモンローが研究室から脱出できてたら、「余計なこと書いたらぶっ殺す…!」みたいな関係が続いたってこと?…と思ったけど、脱出できたとわかった時点で殺してるかもしれんな…(物騒。でも好き。)

あとさ、モンローが職場で「外科医が愛する女のために共犯になった」とか同僚みんなに話してるよね。臓器移植の第一人者ダニエルの研究室が爆発して、モンローも死亡もしくは行方不明ってことでロンドンタイムズの記者が騒ぎそうだけど、アンダーソンがだんまりを決め込んで握りつぶしたかな(好き)。←結局なんでも好き(笑)

 


★ふと思いついて★いやまさか…そんなことは…となってるんだけど、「自分の名前さえ忘れた」って相当な状態だと思うけど、それなら「俺はなんのため追いかける」の「なんのため」も、「理由がわからない」ではなく、わかってたはずなのに忘れてしまってる故の自問自答って可能性もある??
…いやこれは怖い方向に行きそうだから、深掘りするのはやめとこう…笑