Peaceful Tree

主に加藤和樹さんを中心とした観劇やライブ参戦の記録やまとめ。考察や妄想もあるのでご注意ください。

BACKBEATラストシーンの感想

※この記事は2022年12月8日に再演が発表されてから、初演当時に書いたメモを少し手直しして日付を遡ってアップしています

なぜジョンはラストシーンでスチュから渡された黒の上着を着るのか。主観なので演出意図とは違うかもしれないけれど、再演も発表されたことだし、当時観劇した時に考えていたメモを記録のために残しておきます。再演、このラストシーンは変わるのか変わらないのか…ドキドキする。

★東京6/4-5観劇後
この先私自身兵庫愛知と観劇を重ねたら変わるかもしれないけど、今の感想を残しておきたくて。初見の時に、スチュは亡くなってるけれどジョンは生きてる。なのになぜ一緒の黒い服を着て去っていくの?と、とても不思議で。ジョンが暗殺された時にスチュが迎えに来たのかな?とも思ったんだけど、BACKBEATビートルズ創成の物語だし、そのラストにジョンの最期を持ってくるのは違うかもなぁと思いながら観た2回目。

冒頭、枠から5人で飛び出てきて、ラストは2人で奥に消えていく。その直前、去り際にこちらに背中を向けてスチュと目を合わせるジョンは、いつもの斜に構えた感じのシニカルな笑顔ではなくて、屈託無く楽しそうに見えたの。その後、黒い服だからそのまま奥の闇の中に消えていってしまう様子が、とても「去ってしまった」感が強くて。

それを見てたら、ジョンは自分の中の大切な「何か」をスチュと一緒に逝かせてしまったのかもなーって自然に思った。 それは屈託無く楽しそうに笑う少年の部分だったり、とても大切なスチュと心を通いあわせて笑いあったことだったり。そういったジョンの心の中の柔らかい部分は、この先もスチュと一緒にあることをジョン自身が望んだ…ジョンにとって、スチュがあまりにかけがえのない存在だったから。すなわちジョンはその部分を自ら手放してしまったのかなって。
ジョンは生きてるけど、ジョン自身の大切な何かはスチュと一緒に天に召されてしまった。なんとなくでもね、そのスチュと一緒に行ってしまうジョンの何かは、去って行く時スチュといてとても幸せそうなんだよ。シニカルに周りをぐるっと見渡すあの目つきではなくて、素直にスチュだけを見てる。それがとても美しいし、哀しい。
手放してしまったと書いたけど、スチュの死後も生きていくジョンの中には、その事実はスチュの記憶と共にちゃんと残ってたんだろうなって。そう思える、ただ哀しいだけじゃない、柔らかい後味のあるラストシーンだった。そう思ったら、あの黒の上着の意味が私にはとても納得ができた。
ラストシーンの少し前、twist&shoutを歌う時に、ジョン、空を指差して笑ったの。あそこにスチュがいるんだなって。そのスチュが、演奏中にステージに戻ってきて、終わったら2人で去っていくの。もうね… 。男女の愛より、絆のある男同士の愛の方が重い。そして魂のつながりであるがゆえに、それは哀しくて美しいなと…


★兵庫公演観劇後
ラストシーンの解釈。東京公演の後に、ジョンの大切な何かがスチュと一緒に逝ってしまったと感じて、そう書いた。それは兵庫でも私にはそう思えたんたけど、それとは別に、やはり死後のジョンをスチュが迎えにきたって解釈もアリだなと。
黒の上着を着る前に、ポケットに手を入れて肩をすくめてスチュに「へへっ」ってちょっと照れくさい感じで笑うジョンに、「こっちに来ちゃったぜ」みたいな空気を感じたの。その時の二人が、アストリッドに出会う前の蜜月だった頃の二人と同じように見えて、泣けて仕方なかった。 私の中では、どっちかに決めるつもりはなくて、どっちもアリかなーと。ダブルミーニング(笑)


★愛知公演観劇後
ラストシーンの話。今日観てマイ楽を終えて
①ジョンの死後に迎えにきたスチュ、と、
②ジョンの中の何かをスチュと共に逝かせてしまった、は、
私の中で65:35で決定いたしました←細かすぎる

それとは別に、今日のメモを見返していたら書いてあったもの。書いた記憶が全くないんだけど、読んだら涙が…

「ラスト、喝采の中去っていく二人
 誰もいない二人だけのところへ」