主にかきかず11日、20日、25日を観た感想と考察と、備忘メモです。この先まだ変わっていく可能性もありあり。キャストの芝居も変わっていくかもだし←
◆葛藤するビクター◆研究への抗えない欲求と倫理観の狭間で葛藤する…というか、欲求が湧き起こって慄いてる柿ビクター良き。あきビクターは生きている時間の全てが研究のためにあるような気がするけど、柿ビクターは生活は生活としてジュリアもちゃんと愛して生きているイメージ。でも検索すると真逆の感想を持ってる人もいて面白いなーと。
◆「実験の成功」の解釈について◆ ビクターは「アンリが戻ってくる」、アンリは、「ビクターの研究の一助となる」
回によって、アンリが「ビクターが僕を生き返らせてくれる」ような印象もあるようだけど、それなら「君の“夢の中”で生きる」とは言わないよなーと。作品としては、やはり研究の礎となるという意味だろうなと。
◆処刑シーン◆アンリは、ビクターのために自分が役に立つ喜びというか、既に他の世界に行っちゃっているような穏やかな笑み。もう信仰に近い。でもその信仰は、ビクターにというよりは、ビクターの夢というか研究に対する信仰な気がする。
19日のあきかずの時のアンリは怖いほど光り輝いていて、もう人間ではない何かになっていたけど、あの後だんだん落ち着いてきてる印象…
◆市長を探す場面◆村人によろしくお願いしますと頭を下げる柿ビクターと村人の様子を見ていて、ビクターは怪物を作り出したあと研究をやめて、3年の間市長の娘婿（候補）として普通に暮らして、それなりに村人からの信頼を得ていたのかなと…。それはアンリとの約束を破ってることに他ならないんだけども。研究をつづけることがアンリの遺志なら、最後にアンリ（推定）が復讐と言ったのはその意味も含まれているのかもな…
しかしこの3年間、あきビクターがどう過ごしていたか、全く想像ができないんだけども。隠れて研究続けてない？(笑)
◆アンリと怪物の言い分◆この研究は君にしかできない。だから君が研究を続けてくれることが僕の望みというアンリと、「また同じことを繰り返すのか」と怒り責める怪物の考えは真っ向からぶつかってて。柿ビクターの欲望はアンリの想いに反応するし、理性は怪物の言葉にうなだれる。ビクター辛い…
◆怪物がとどめを刺さないわけ◆アンリの本能が残ってるのかな？とも思ったけど、まだ知性を持たない怪物が他の生き物を殺すとしたらそれは生存本能なので、お腹が減ってるか、命の危機を感じた時だけな気がする。無駄な殺生はしないよね(笑)。クマだって食べてみたら美味しかっただけで、はじめは空腹を満たすために食べたんだろうし。自分の命の危機を察したら（ルンゲの時のように）本能的に襲うだろうけど、相手が戦意喪失したら怪物には戦う理由がないから、闘技場の戦いでトドメを差すことはない。カトリーヌとのやり取りの後は知性が戻ってきてるから、あのままあそこで飼われてたらわからないけど。チューバヤとの時は力入らねぇぞ状態だったからね。
◆カトリーヌを助けたのは◆人を助けたというより、オスの本能なのかもとも思ったり(笑)。結果的に助けたことになったけど、あの時点で知性が戻ってない怪物にしてみたら、奪ったって感じ？ （アンリの本能という説は違う気がして）
◆かきかずラストシーン◆20日の回は、アンリが「これが俺の復讐だ」って言ったように聞こえた。アンリ：怪物＝7:3みたいな。
怪物とアンリが復讐の本懐を遂げて、ビクターが絶望の中で北極で死ぬことが、私の中で一番納得のいくラストシーンだなって思った。 アンリの人格は、怪物の存在と記憶によって多少変化してる気がする。それでもビクターはアンリが怪物の中にいたことに嬉しさや安堵感もありつつ、そのアンリを二度も殺してしまったことを後悔しながらひとりで死ぬ そんなラストがかきかずは似合う…
◆ラストシーンのその先◆ 上のラストとは少し違うけど、これもせっかくなので残しておく。ビクター、絶望の中できっと怪物に殺されたかったけど、怪物はそれ分かってて殺さずに先に死ぬ。でも、きっとその後ビクターが死んで追ってくることはわかってる。死んだその先で怪物はビクターを待ってるのさ。なんかそういう最後の糸みたいなつながりは残ってる気がしたの。
真っ暗闇の中でビクターが目を覚ます。よく見ると、微かな光の中、怪物が背中を向けて佇んでいる。ビクターが目覚めたのに気付いて、微かに振り返って一瞥し、歩き出す怪物。ビクターが追ってくるのがわかってるかのように、もう振り向かない。立ち上がり後を追うビクター。言葉を交わしはしないけれども、一緒に地獄へ向かう二人。
私の怪物は、アンリの記憶は戻ってるけど、元のアンリではない。でも、ビクターが追ってくる、この先一緒にいるであろうことはわかってて、それでいいと思ってる。親友なのは変わらないんだよ。
